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4月25日

ある満月の夜、お風呂にはいる前にもう1度、月をみたいと思った。
ウールのショールを羽織って、マンションをでると、もうそこに月はあった。
部屋の窓からはみえなかったのに。
それでも、できるだけ街灯に邪魔されない場所を探して腰をかけ、月をみあげた。
月がきれいなのは、影があるから、じゃないかな。
くっきりと影を抱えながら、強い光を放つ。
月のある方から、道を這うような黒い塊になって、
ゆっくりとおじいさんがやってきた。よく見かける人だ。
いつも、首をガクッとさげて、歩いている。
おじいさんに、月はみえないだろう。
月光を背負って歩いていた。

2014-04-25 | Posted in blogNo Comments » 

 

4月23日

午後、北西向きの窓から入る光が、テーブルの下に集まっていた。
ひとりでみるのはもったいないくらいに静かだ。
安っぽい壁紙と床材がふわっと光る。

今日、美しいと思った。
それだけは、確か。

2014-04-23 | Posted in blogNo Comments » 

 

4月18日

ドトールで斜め前のおばあさんから盗み聞きした「文藝春秋」の保管方法。

● 気に入った記事は紙の小口に色を塗る。
● 半年をメドに、小口に色のない部分を捨てる。
● 表紙と目次は必ず保管すること。何かあった時に、図書館で調べられるように。

2014-04-18 | Posted in blogNo Comments » 

 

4月7日

浅草で昼食。
エメラルドグリーンのソファーが並ぶ小さな喫茶店。
人がそばを歩くと、床が微妙に振動する。
おそらく家族経営で、お父さんはばかに丁寧、お母さんは「すみません」が口癖、
娘はキッチンで忙しくしている。

お客は地元の人ばかり、満席。
入学式帰りの親子が何組かで来ている。
親は壁際に集まり、子供達は店の真ん中あたり、
4人掛けに6人で座りコーラを飲んでいる。

格子状の大きな窓の外には、観光バスが次々と止まる。
「あー、この人達は中国人だな」
「顔も服装も少し(日本人と)違うんだよなあ」
「今度は日本人。この人達は消費税5%のときに入金した観光客。
 5月になると8%の観光客がくるよ」
「ヨーロッパ人だな。どこの国かな」
「フランスじゃねえか」
おじさんの実況を聴きながら、ナポリタンを食べる。

毎日のように浅草に通いながら、
いっそのことビジネスホテルにでも泊まりたいなと思う。
観光客が羨ましい。おじさんたちが羨ましい。

2014-04-07 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月26日

ある平日の朝、阿佐ヶ谷の釣り堀近くにある、
床屋さんの窓越しに、おじさんの後頭部が並んでいるのが見えた。
何かを読みながら順番を待っている様子。

「阿佐ヶ谷には暇なおじさんが多い」のか、
「阿佐ヶ谷のおじさんはみんな暇」なのか。

さっき、夜の散歩で前を通ると、お店の中にも外にも人だかり。
何事かと思い中を覗くと、床屋さんがデモンストレーションで髪を切っていて、
それを人々は熱心に動画におさめていました。

「阿佐ヶ谷には腕の良い床屋さんがいて、ファンは朝から並ぶ」がたぶん正解。

2014-03-26 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月25日

昨夜の眠りが浅かったせいで、
あの言葉、誰のだっけ?、と思う。
昨日会った3人のうちの、あの子かあの子のどちらか。

昨日の記憶はミックスされて、
呆けたおばあさんみたいに、
「あなた、あのときこう話してたじゃないの」なんて、言ってしまいそう。
でも、ふたりとも、「そうだったね」って答えそう。

2014-03-25 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月20日

昨夜はまったく眠れず。
夜、コーヒーを飲んだのがいけなかった。
だいぶ疲れてたので、影響ないと思ったんだけど。

夜中に走るトラックの音が、こんなに大きいと、知らなかった。
始発電車は意外と早くから動き出した。
朝のバイクは、ジグザグ、切れ切れに走った。
マンションの廊下で、子供がはしゃいでいた。

やがて雨音が強くなり、ザーザーザー、
もう諦めて今日を始めたらと、慰めてくれた。

2014-03-20 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月16日

工事現場でガードマンとそばで遊んでる子供の会話。

子供
「たちいりきんし」

ガードマン
「すごいなあ、読めるのか、僕」

子供
「これがたち、これがいり、これがきん、これがし、しっていうのはとまるっていうことだよ。」

ガードマン
「すごいなあ」

子供
「はいっちゃダメってことだよ」

ガードマン
「すごいなあ、これは読める(他の看板を指差す)」

子供
「おじさん、よめないの?じゃあ、ぼくがしってることね、ぜんぶおしえてあげるね」

ガードマン
「すごいなあ、ありがとう」

2014-03-16 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月15日

女性2人がやたらと数学的な話をしている。
よーくきいてみると、裁縫のはなしだった。

2014-03-15 | Posted in blogNo Comments » 

 

3月14日

数日前、午前の喫茶店で、泣いている女性がいた。
彼女は決して泣き虫ではない。
前だけを見て、一歩一歩ここまできたはずだ。
鼻を真っ赤にして、それでも溢れでてきた言葉は、
透明で、ぽたんぽたんとあたりを揺らした。
いつか彼女に光が届きますように、
どうかまた歩き出せますように、
彼女の話をきいている、その横顔は、
朝の光の中で、声も出さずに、ただ頷いていた。

2014-03-14 | Posted in blogNo Comments »