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2月20日

用事があって立川に行った。巨大な駅ビル、広い道でできた街。横浜に行ってもそうなのだけど、慣れないスケール感に最初とても開放的になる。賑やかな感じに興奮する。その後で、急に寂しくなる。たしかロッテルダムでも、こんな不安を感じたことがある。

IKEAに寄ってみることにした。IKEAは、どこの、どの国の店舗に行っても同じ印象。コペンハーゲンで、バスを乗り継ぎはじめてIKEAに行った時、いろいろ買ったっけな、タッパーみたいなのとか小さい鍋とか、ろうそくとか。友達の家にもたいてい何かがあった。安いアパートメントホテルみたいなのに泊まれば、IKEAの商品が溢れかえっていて、ほぼ100%IKEA、そうなってくると気が滅入った。切れない包丁を強く握る、戦っているうちに包丁も手もベタベタになった。変なマグカップの形、グラスの底のロゴ。店内をグルグルと歩かされるうちに、商品がいろんな場所の何年分もの記憶を引っ張りだした。もう充分だ、これ以上はいらない。

お茶を飲もうと喫茶店を探した。なるべく古いところがいい。昔から、この場所にあった店がいい。通りから良さそうなところを見つけ古いビルに入った。ガラスドアの押し手は円盤状の木製。吹き抜けには細長い鏡があった。天井からはじまるUの字フレーム、底は床に届かない。エスカレーターに乗ると、頭上にちゃんと誰かがデザインした照明がならんだ。店の外でメニューを確かめ中に入ると、強烈な煙草の匂いがした。

そうやって街をウロウロした挙句、大きな駅ビル8Fのえらく清潔な店で紅茶を頼んだ。

2015-02-20 | Posted in blogNo Comments »